キャッシングのツボ

第53回 家族のキャッシング(2)

山田さん(56歳)は、大学生の一人息子ナオキくんにクレジットカードを作りたいといわれて、悩んでいます。あまりクレジットカードを使う習慣のない山田さんにとっては、大学生のナオキくんにカードを持たせるのが、とても不安でなりません。

ナオキくんにカードを作りたい理由をよく聞いてみると、2ヵ月後に予定している仲間との海外旅行用に、クレジットカードを1枚作っておきたいということでした。

ナオキくんはその理由として、海外ではクレジットカードがひとつの信用の証になること、キャッシュが足りなくなったときでもカードという支払い手段を持っておきたいこと、海外旅行傷害保険がついているカードを選べばさらに安心なこと、などをあげました。

こうした理由を聞いて、ナオキくんがカードを持つことには理解を示した山田さん。でも、親の目からはまだまだ幼く見えるナオキくんが、カードを持つことでトラブルに巻き込まれないか、まだまだ心配はつきません。親として何かできることはないでしょうか?

そこで山田さんは、カードの「利用限度額」に注目をしました。カードの申込み時に、利用限度額を適正と思うところまで下げておけば、必要以上にカードを使うことを避けられるにちがいないと考えたからです。

クレジットカードやカードローンには、あらかじめ利用限度額(極度額)が設けられています。この利用限度額の範囲なら、何度でも利用できるのがふつうです。利用限度額は、カード発行時に、個人の信用状態やカードの種類によって自動的に決められ、その後は自動的に引き上げられたり、引き下げられたりすることがあります。

通常は、利用限度額が高いことは個人の信用が高いということになって喜ばしいことでしょう。しかし、日ごろの買い物と比べて、あまりにも高い限度額はそもそも必要ありませんし、万が一他人にカードが悪用されてしまった場合にも、限度額を下げておけば被害額をその分小さくすることができます。

減額は、カード申込み時に申込書の利用限度額欄を修正するほか、カード発行後に電話で下げてもらうこともできます。

未成年のナオキくんがカードを作るためには、親の承認が必要です。そこで、山田さんはナオキくんとカードを持つためのルールをしっかりと話し合った後、30万円あった利用限度額を10万円まで下げることを条件に、承認のサインをしたのでした。

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